親なら必ず対処したい!トラウマになる前に治療すべき、こどものわきがの問題点と対処法
わきがは、大人がなるものというイメージがありますよね。しかし、実際は第二次性成長期に発症することが多く、思春期のころにわぎかになってしまう可能性があります。
また、わきがは遺伝的な要素が大きく関係しているものです。そのため、わきがの人はこどもの頃からわきがということになります。
では、どうすればわきがの症状を改善できるのでしょうか?ここでは、こどものわきがの問題点と対処法について解説します。
こどものわきが
汗を分泌する汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺があります。
エクリン腺には、不純物などは含まれておらず、塩分濃度も高くありません。しかし、アポクリン腺から分泌される汗には、タンパク質やミネラルなどが多く含まれています。このアポクリン腺から分泌された汗が皮脂と混ざり、それを細菌が分解することでわきがの独特なニオイを発生させるのです。
わきがの原因となるアポクリン腺は、第二次性成長期に急激に増加します。この時期以降はアポクリン腺が増えないため、この時点でわきがになっていなければ今後もわきがになる可能性はないといえるでしょう。
近年では、食生活の欧米化などの要因によってこどもの成長が早まり、従来よりも低年齢でわきがを発症するこどもが増えてきています。早ければ、小学校低学年でわきがになるこどももいるということです。
わきがのセルフチェック
自分のこどもがわきがになっていないかどうかセルフチェックしましょう。次の項目に3つ以上当てはまる場合、わきがの可能性が高いとされています。
・わきが、多汗症の自覚がある
・両親や親戚にわきがや多汗症の人がいる
・耳垢が湿っている
・服のわきに当たる部分が黄ばんでいる
・緊張や興奮時に汗ばみやすい
・足が臭う
・臭いを指摘されたことがある
・わき毛が濃い、色素沈着が起きている
わきがは遺伝性であるため、両親ともにわきがの場合は90%以上の確率でこどももわきがになるとされています。とはいえ、悲観的に考えず、こどもの精神的な負担を和らげられるように適切に対処していくことが大切です。
こどものわきがの問題点
こどものわきがの問題点は、その独特なニオイを周りの人から指摘され、イジメに繋がる可能性があることです。「ニオイ=不潔」というイメージがあるため、本人の責任ではないのに責められてしまいます。不潔だからわきがになる訳ではありませんが、それをこどもに伝えても理解を得ることが難しい場合もあるでしょう。
ちなみに、ほとんどの白人や黒人は、わきがだといわれています。わきがになることが当たり前であるため、イジメが起こることはほとんどありません。
しかし、日本人は全体の10~15%程度の人しかわきがではないため、わきがに対して偏見が生まれてしまうのです。大人がわきがについて指摘された場合は、制汗スプレーやわきが手術などで対策することができます。しかし、こどもの場合はニオイを指摘されても原因がわからず、対処することができません。
何度もニオイを指摘されているうちに精神的なダメージを負ってしまい、登校拒否や引きこもりになってしまう前に、何らかの対策をしたほうが、あらゆる意味で望ましいといえるでしょう。
こどものわきがの対処法
こどものわきがは、大人と同じように治療を受けることで改善できる可能性があります。しかし、それだけでは心のケアはできません。
無暗にわきがの治療をすすめてしまうと、それが返って精神的な負担になり、登校拒否や引きこもりの原因になってしまうことがあるのです。では、どのように対処していけばよいのか詳しくみていきましょう。
こどもとの接し方
こどものわきがを対処するにあたり最も大切なことは、親が間違った方法で対処しないことです。親が間違った対処をしてしまうと、こどもがわきがに対してトラウマを持つようになる恐れがあります。
まず、こどものニオイを気にし過ぎたり心配しすぎたりすることはよくありません。こどもに自己否定感を植え付けてしまい、精神的苦痛が増す結果となります。親がすべきことは、そっと見守ることです。こどもがニオイの自覚を持ち、親に悩みを打ち上げた際に相談に乗ってあげましょう。
その際には、「たかが体臭」などといわず、親身に相談に乗ってあげることが大切です。相談に乗って初めてデオドラント剤をすすめてあげてください。相談される前にデオドラント剤を無理にすすめると、こどもにとって精神的な負担になることがあります。
わきがの治療を提案する
こどもがわきがを治したいと訴えたら、親がわきがの治療に関する知識を提供しましょう。わきがの治療法はさまざまですが、まずは手術以外の方法を提案することをおすすめします。
切らないわきが治療法の代表格であるボトックス注射は、汗の分泌を抑えることでニオイを軽減させる治療法です。注射をするだけであるため、気軽に受けることができます。また、わき毛が生えている場合には、電気凝固法のA法がおすすめです。ボトックス注射と併用すれば、高い効果が期待できます。
わきがに対する悩みが強くなった場合には、手術療法を検討してみましょう。手術療法は、十分にアポクリン腺が発達した高校生以降に行うことが大切です。アポクリン腺の成長途中に手術を受けても、わきがが再発する可能性があります。
おわりに
わきがは、第二次性成長期に発症します。そして、周りの人からニオイを指摘され、精神的な苦痛を感じたり、イジメの原因になっては悲しいですよね。
親には、こどもとしっかり向き合い、適切に対処していくことが求められています。こどもの精神的な負担を和らげられるように、正しく対処していきましょう。