リストカットの傷跡治療を受ける前に知っておきたいこと
リストカットの傷跡への向き合い方は、「治療して目立たなくする」だけではありません。
例えば、長袖やアームカバー、シアー素材の衣類を取り入れたり、ブレスレットなどのアクセサリーで自然にカバーしたりする方法があります。また、コンシーラーやファンデーションテープを使ったメイクカバーなど、日常生活の中で目立ちにくくする工夫も選択肢のひとつです。
市販の傷跡ケアクリーム(ヘパリン類似物質配合など)は、新しく浅い傷には効果が期待できる一方で、深く古い傷跡では大きな変化は見込みにくいとされています。また、かさぶたや治りかけの傷へのメイクは避けた方がよいでしょう。
傷跡治療は、傷の状態が落ち着いてから検討することが一般的であり、無理に急ぐ必要はありません。まずは、自分に合った方法や治療の選択肢を知り、納得できる形を少しずつ考えていきましょう。
リスカ跡を消したい方へ|傷跡を目立たなくする治療方法
「昔のリスカ跡を消したい」「白い線状の傷跡を目立たなくしたい」「半袖を着るときに傷跡が気になる」とお悩みの方へ。
リストカットによる傷跡を完全に消して元の皮膚に戻すことは難しいものの、傷跡の状態に応じた治療によって、見た目を目立ちにくくすることを目指せます。
ラジニアクリニックでは、傷跡の深さ・本数・範囲・色・凹凸などを診察し、フラクショナルレーザー、切除法、アブレーション、皮膚移植などから治療方法を検討します。
白く残った古い傷跡や、複数の線状の傷跡についても、状態によっては治療を検討できます。
大切なのは、傷跡を完全になくすことだけを目標にするのではなく、治療後に残る傷跡も含めて、どのような変化を目指せるかを事前に理解することです。
リストカットの傷跡治療とは
傷跡治療で「傷を完全に消す」ことは困難です。
ただし、治療を受けることで、元々ある傷跡を「目立ちにくい線状の痕」や「火傷痕」に変えたり、皮膚の再生によって傷跡を少しずつぼかしたりすることは可能です。
まずは、リストカット痕であることがわかりにくい・目立ちにくい状態に近づけていくというイメージを持って、治療を検討されるとよいでしょう。
治療を始める前に、「半袖を着たい」「傷跡だと気づかれにくくしたい」「傷跡を見るたびにつらい気持ちになるのを和らげたい」など、ご自身が目指す状態を医師に伝えておきましょう。希望を共有することで、自分に合った治療法を一緒に考えやすくなります。
こんなお悩みをお持ちの方におすすめ
- 夏でも長袖を着て、リストカットの傷を隠している
- リストカットの傷が沢山あり治療法がわからない
- 細かい傷や深い傷をなくしてキレイにしたい
- リストカットの傷跡が気になって結婚に踏み切れない
- リストカットの傷跡を見るたびに自分に自信が持てない

治療のタイミングと注意点
「傷跡は時間の経過とともに赤みや硬さが変化します。治療を検討する時期は、受傷からの期間だけでなく、傷跡の成熟度、赤み、盛り上がり、皮膚の状態などによって異なります。診察で状態を確認し、適切な治療時期をご案内します。」
また治療した後も「完全に消えるわけではない」ということはあらかじめ理解しておく必要があります。加えて、傷が再発する(盛り上がる)、一時的な赤みや色素沈着が起こるなどの可能性もあります。
まずはカウンセリングで医師と相談し、あなたの症状や肌質にもっとも合う治療法を見つけましょう。
リストカットの傷跡を消す施術一覧
リストカットの治療は、傷の範囲や患者様のお肌の状態にあわせて4種類からお選び頂けます。
傷の状態によっては植皮も検討いたします。
| 跡の状態 | 検討する治療 |
|---|---|
| 細い線状の傷跡、光沢や質感が気になる | フラクショナルレーザー |
| 太く目立つ傷跡、切除可能な範囲の傷跡 | 切除法 |
| 多数の線状の傷跡、広範囲の傷跡 | アブレーション |
| 広範囲で直接縫合が難しい傷跡 | 皮膚移植 |
| 赤みや盛り上がりのある傷跡 | 傷跡の状態に応じた治療 |
※あくまで治療候補の目安です。実際の適応は形成外科専門医の診察で判断します。
フラクショナルレーザー
リストカットの傷が細い方やテカリのある方、複数ある方に向いている治療です。
当院ではエルビウムヤグレーザーとピコレーザーによるフラクショナルレーザー治療が受けられます。

皮膚に無数のマイクロホールをあけて治癒能力を活性化し、新しい皮膚へと生まれ変わるのを促す治療です。光の反射でテカってしまう傷を馴染ませたり盛り上がった傷を滑らかにしてくれます。
ただし、傷跡の状態によってはレーザーだけでは十分な改善が難しい場合もあります。幅の広い傷跡や深い傷跡、盛り上がった傷跡の場合は、切除法などほかの治療との組み合わせも含めて検討しましょう。
おすすめポイント
- 広い範囲のリストカットの傷に適応できる
- 凹凸やテカリのあるリストカットの傷が馴染んでくる
- 見える部分だけ、など予算に応じて治療範囲を選ぶことができる
- 新しい傷を作らないのでキレイに治したい方におすすめ
- 治療回数を重ねることに改善がみられる
施術情報・ダウンタイム・流れ
| ダウンタイム | 1週間程です。 |
- カウンセリング
リストカットの傷跡の状態を確認いたします。 - マーキング・クリーム麻酔
施術を行う箇所をマーキングし、クリーム麻酔を塗ります。 - 照射
フラクショナルレーザーを照射していきます。
熱の拡散が少ないため、痛みが少なくダウンタイムも比較的短く、また周辺の正常な組織へのダメージも少ないため、赤みや色素沈着のリスクも少ないです。 - アフターケア
施術後の注意点についてご説明いたします。
施術後の注意点
- 治療後は乾燥しやすくなるので、十分に保湿を行ってください。
- 乾燥や炎症によりかゆみを生じることがあります。時間の経過とともに落ち着いていきます。
- 稀に内出血ができることがあります。通常は1~2週間ほどで改善します。
- お渡しした軟膏は7日塗布してください。
- UVクリームなど紫外線対策を十分に行ってください。
- 過度な刺激は色素沈着の原因となりますので、擦る、掻く、必要以上に触れるなどはしないでください。
- 治療間隔は2カ月を目安にご来院ください。
- 心配なことなどありましたらクリニックへご連絡ください。
施術料金
| フラクショナルレーザー 1回10㎠以下 | 23,100円 コース割引有り |
| フラクショナルレーザー 1回10㎠以上~30㎠ | 24,860円~45,320円 コース割引有り |
| フラクショナルレーザー 30㎠以降 10㎠辺り | 3,740円 コース割引有り |
切除
メスを使って太く目立っているリストカットの傷跡を切り取り、1本の直線状に縫い合わせて目立たなくさせる治療です。複数をまとめて切除したい場合や傷自体が長い場合はW形成(リストカットの傷をWの形にして肌になじませる方法)を行うこともあります。

手術時間は1時間程度で、基本的には1度で治療終了です。術後は傷痕に軟膏を塗り、ガーゼをあてて肌色のテープで圧迫します。
医師の巧みな技術と豊富な経験により傷は少しずつ目立たなくなりますが、最低でも3ヶ月は赤みが残ります。イベントなどで、この日までに治したいというご希望がありましたらお早めにご相談ください。
おすすめポイント
- 太くて目立つリストカットの傷を細い目立ちにくい線にできる
- リストカットに見えないような切除痕にできる
- 治療回数と費用の見通しが立つ
- 形成外科専門医の治療が受けられる
施術情報・ダウンタイム・流れ
| 抜糸 | 一週間後に抜糸を行います。抜糸までの間は専用のテープを貼ってお過ごしいただきます。 |
- カウンセリング
リストカットの傷跡の状態を確認いたします。 - 局所麻酔
施術を行う箇所に局所麻酔を行います。 - 手術
傷跡の状態に合わせ、皮膚を切除し、縫合いたします。
大きな傷の場合は、複数施術が必要です。 - アフターケア
施術後の注意点についてご説明いたします。
施術後の注意点
- 内出血は、通常は1~2週間程で落ち着いてきます。
- 縫った痕は完全に消えることはありませんが、時間の経過とともに目立たなくなっていきます。
- 赤みは、時間の経過とともに落ち着き、通常は3~6ヶ月ほどで薄くなります。
- 傷跡が盛り上がってくることがあり、注射など他の治療が必要な場合がありますので治療をご希望の場合はご連絡ください。
- 現在ケロイド体質などを完全に証明する検査はないことをご了承ください。
- 24時間は肌色のテープとガーゼをはがさず、濡らさないでください。
- 石けんを泡立てて傷をなでるように優しく洗い、よく洗い流した後、軟膏を塗ってガーゼをあててください。(1日1回、抜糸まで続けてください。)
- 約7~14日後に抜糸を行います。患部の状態で日にちが前後することがあります。
- 抜糸の翌日まで湯船につからないようにし、サウナも控えてください。
- 抜糸後は茶色いテープで傷痕を覆うように貼ってください。テープは傷に対して垂直に貼ることをお勧めいたします。自然にはがれるまではそのままにし、はがれたら貼りかえるようにしてください。3ヶ月ほど続けるとリストカットの傷がより目立ちにくくなります。
- 激しい運動や力仕事、重いものを持つなど傷口に負担のかかることは1か月控えてください。
- 不安がある方はクリニックまでご連絡ください。
| シャワー | 24時間後以降にシャワーでふやかしながら肌色のテープとガーゼをはがしてください。 |
| 飲酒 | 抜糸までは、飲酒は控えてください。腫れが引きにくくなります。 |
| 喫煙 | 抜糸までは、喫煙は控えてください。腫れが引きにくくなります。 |

施術料金
| 切除法(ストレート) 10㎠以下 | 132,000円 |
| 切除法(ストレート) 10㎠以降 5㎠辺り | 55,000円 |

リストカット跡の切除法(ストレート法)による治療症例
前腕に複数の白い線状のリストカット跡がある方に対して、切除法(ストレート法)による傷跡修正を行った症例です。
切除法では、複数の線状の傷跡を含む皮膚を切除・縫合し、新たな手術の傷跡へ置き換えることを目指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施術名 | リストカット跡修正術(切除法・ストレート法) |
| 治療内容 | 前腕の複数の線状の傷跡に対する切除・縫合 |
| 治療回数 | 1回 |
| 費用 | 286,550円(税込) |
| 写真の撮影時期 | 術前・術後1か月 |
| 主なリスク・副作用 | 出血、腫れ、痛み、感染、創離開、赤み、色素沈着、肥厚性瘢痕、傷跡の幅の拡大など |
術後1か月は傷跡が成熟する途中であり、赤みや硬さなどは今後も変化する可能性があります。
写真の周囲に見られる薄い線は、術後のテーピングによる跡です。
切除法は傷跡を完全になくす治療ではなく、新たな縫合の傷跡が残ります。治療後の経過や仕上がりには個人差があります。
アブレーション
アブレーション法は、エルビウムヤグレーザーを使用して皮膚表面を削り、複数の線状のリストカット跡を、別の形態の傷跡へ置き換えることを目指す治療です。
リストカット跡の線状のパターンを目立ちにくくする目的で行いますが、治療後も傷跡は残ります。
治療範囲や皮膚の状態によっては、赤み、色素沈着、色調差、凹凸、肥厚性瘢痕などが生じる場合があります。

治療の後(3週間~1か月程度)は、ご自宅で処置を行っていただきます。傷痕をなるべくキレイに仕上げるには、治療後(約1年)の過ごし方が大切です。当院ではわかりやすい説明など、フォロー体制を充実させております。
おすすめポイント
- リストカットと消さないといけない期限が迫っている
- 切除できない広範囲の傷痕に適している
- リストカットの傷を火傷の傷痕のようにみせる
- 治療費が安く済むことが多い
施術情報・ダウンタイム・流れ
| ダウンタイム | 約1か月間 |
- カウンセリング
リストカットの傷跡の状態を確認いたします。 - 局所麻酔
施術を行う箇所に局所麻酔を行います。 - 照射
エルビウムヤグレーザーを使用しレーザーを照射していきます。
リストカットなどの傷跡を、火傷跡のような傷に置き換えます。 - アフターケア
施術後の注意点についてご説明いたします。
施術後の注意点
- 傷が落ち着く約1か月間はご自宅で処置をしていただきます。処置のセットはまとめてお渡しします。
- 術後2時間ほどで麻酔が切れ、痛みが生じます。痛みが強い場合は処方された痛止めを内服してください。
- 術後当日をピークに出血がみられます。飲酒、運動、入浴など血行が良くなることは控えてください。大量の出血がある、出血が止まらないなどの場合はクリニックへご連絡ください。
- 術後2~3日をピークに腫れがみられます。患部を上にあげるなどして負担をかけないようにしてください。
- 患部を清潔に保ち、十分な栄養と休息を心掛けてください。患部の熱が酷い場合や悪臭、黄緑色の塊などが見られたら追加の治療が必要な場合がありますのでご連絡ください。
- 治癒の経過で痒みを生じますが、掻く、こするなどの刺激を与えると治癒が遅くなる原因となりますので注意してください。
- 色素沈着について、皮膚が上皮化した後に日焼けや摩擦などの刺激を与えると色素沈着の原因となりますので、必ず紫外線対策を行ってください。
- 傷跡が盛り上がってくることがあり、注射などの治療が必要な場合があります。
- 現在ケロイド体質などを完全に証明する検査はないことをご了承ください。
- 術後24時間は患部を濡らさないでください。
- 1日1回、石鹸を泡立てて優しくなでるように洗い、シャワーでよく洗い流してください。その後に軟膏を塗り、7日目までは吸水シーツをあてます。浸出液が多い場合はさらに吸水シーツやガーゼをあててください。
- 患部に白い塊が見られたら、しっかり落とすようにしてください。皮膚が上皮化(薄い皮膚ができる状態)するまではシャワー浴のみとし、湯船につからず、サウナも控えてください。
- 皮膚が上皮化するまで処置を行い、上皮化した後は日焼け止めなどの紫外線対策を行ってください。
- 1か月は力仕事や激しい運動、水泳、サウナなどは控えてください。治癒が遅くなるなど治療に大きな影響を与えます。
| シャワー | 24時間後以降にシャワー浴が可能です。肌に直接貼ってあるパットはシャワーでふやかしながらはがしてください。濡らさずにはがすと出血の原因となります。 |
| 飲酒 | 出血や腫れ、痛みの増強などの原因となるので1週間は飲酒を控えてください。 |

施術料金
| アブレーション法 10㎠以下 | 148,500円 |
| アブレーション法 10㎠~30㎠ | 198,000円~272,500円 |
| アブレーション法 30㎠以降 10㎠辺り | 24,200円 |
皮膚移植術(植皮術)
皮膚移植術(植皮術)は、自身の別の部位から採取した皮膚を移植する治療法です。
レーザーを使わず外科的に1回で治療を完結させたい場合で、縫い閉じることができないサイズの傷跡に対して行われます。

移植する皮膚の厚さにより、薄目分層植皮、中間分層植皮、厚目分層植皮、全層植皮の4種類に分類されます。薄いほど生着しやすい反面、厚いほど術後の収縮が少なく質感が良好になるという特徴があります。
なお、網状植皮やパッチ植皮などの特殊な方法もありますが、これらは非常に広範囲の症例に限られます。仕上がりの面ではやや劣る方法です。
おすすめポイント
- 1回の手術で治療が完結する
- 切除後に直接縫合することが難しい広範囲の傷跡に対して検討できる
- 厚みのある植皮で術後の収縮が少なく自然な質感が得られる
- 広範囲にも対応可能
施術情報・ダウンタイム・流れ
| ダウンタイム | 1週間は患部を水に濡らすことができません |
- カウンセリング
施術を希望するリストカットの傷跡を診察し、お肌の状態などをカウンセリングします。 - マーキング・麻酔
皮膚を採取する箇所(足の付け根など)にマーキングをし、麻酔をします。 - 皮膚の採取
採取した皮膚を移植部位に移植します。移植した皮膚は一度血流が途絶えるため、移植部位との血流再開によって生着します。 - アフターケア
生着するまでの1週間、コットンガーゼなどを用いた特殊な固定を行い、皮膚のずれ、血液の貯留、浮き、感染などを防ぐため、移植部を密着させた状態を保ちます。
施術後の注意点
- 移植皮膚の脱落を防ぎ、良好な生着を目指すため、固定期間中は移植部位を水に濡らさないようにしてください。
施術料金
| 皮膚移植術(植皮術) | 分層植皮10㎠以下 352,000円 |
| 分層植皮10㎠以降 5㎠辺り 55,000円 ※全層植皮の場合は別途330,000円 |