脱毛に支障をきたす場合がある毛孔性苔癬の症状や治療法についてご紹介
二の腕や背中がザラザラ・ブツブツとしていて気になっているという方もいるのではないでしょうか。それは、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という皮膚の「できもの」かもしれません。
まず、安心していただきたいのが、毛孔性苔癬は良性の皮膚疾患なので、放置することで大きく悪化する心配が少ないということです。しかし、その特徴的な見た目からコンプレックスに感じている方も多いのではないでしょうか。
また、脱毛をするときに支障をきたす場合もあります。ここでは、毛孔性苔癬の症状や問題点、治療法などについて解説いたします。
毛孔性苔癬とは
毛孔性苔癬は、皮膚が角化することによって起こる皮膚の病気の一つで、毛孔角化症とも呼ばれます。多数のブツブツが広範囲に現れることが特徴です。
ブツブツは肌色か赤褐色をしています。二の腕や背中に現れやすく、夏にこれらの部位を露出するファッションを楽しむ方にとっては、大きな悩みの種になるでしょう。
原因は主に遺伝と考えられている一方、ホルモンバランスが乱れたときにも現れやすいという特徴があります。好発年齢は10代で、30代ぐらいになると自然に消えることもあるようです。
しかし、日ごろからカミソリやシェーバーなどでお手入れをしている方は、肌の水分蒸発を防ぐ角質が傷ついて肌が乾燥しやすくなっており、それが原因で角質が硬くなったり毛穴が詰まったりすることで毛孔性苔癬が悪化する場合があります。
この角質は一定の周期で剥がれおち、絶え間なく生成されているものです。この仕組みが正常に働かないことで古い角質が剥がれ落ちにくくなっても、毛孔性苔癬のリスクが高まるとされています。
角質が絶え間なく作られ、古い角質が自然に剥がれ落ちることをターンオーバーといい、生活習慣の乱れやストレスなどによって正常に働かなくなります。
脱毛ができなくなる?
毛孔性苔癬は皮膚の病気であるため、「肌にトラブルがある場合は施術を断っている」サロンでは脱毛を受けられません。サロンは医療機関ではないので、光脱毛によって何らかのトラブルが起きたり症状が悪化したりしても対処できないのです。
一方、クリニックの医療レーザー脱毛であれば、照射後に起きたトラブルに対処できるため、脱毛できる場合があります。また、医療レーザー脱毛には毛孔性苔癬によって毛穴に詰まった角質を取り除く効果も期待できるため、脱毛と治療を同時に行えることもあるでしょう。
毛孔性苔癬の治療法
毛孔性苔癬の治療法には、レーザー治療やケミカルピーリング、外用薬などがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。
レーザー治療
使用されるレーザー機器は様々ですが、代表的なものがフラクショナルCO2レーザーです。角質層よりも下部にある真皮層のコラーゲンの生成を促し、毛孔性苔癬の改善に有効とされる成分を浸透させることによって治療します。
完治には5~10回程度の施術が必要とされており、総費用が10万円前後かかることが一般的です。
ケミカルピーリング
角質を薄く剥がす薬剤を塗る方法です。肌のターンオーバーを整え、毛孔性苔癬を改善できる可能性があります。2~4週間に1回の頻度で合計5~6回程度通うことが一般的です。
総費用は30,000円前後とレーザー治療と比べて安いため、受けやすい治療法と言えるでしょう。
外用薬
角質を柔らかくする尿素、ターンオーバーを整える血行促進成分、炎症を抑える抗炎症成分、肌の状態を整えるビタミンCや保湿成分などが含まれた外用薬を塗ります。
毛孔性苔癬の角化やターンオーバーの乱れ、炎症などそれぞれの症状を抑えられる可能性がある成分が含まれていることが特徴です。
おわりに
毛孔性苔癬は悪性の病気ではないので、二の腕や背中を見せないから放置しているという方もいるのではないでしょうか。しかし、鏡でふと見たときにブツブツ・ザラザラとしていると気が滅入ってしまうかもしれません。
治療は身体への負担がそれほど大きくないので、できれば早めに治療しておいた方がよいでしょう。