ピアスによる耳たぶの裂け(外傷性耳垂裂)の修正方法と注意点
こんにちは、ビクアスクリニック秋葉原院長の植木です。
本日は、ピアスの穴の修正やピアスによる耳たぶの裂け(外傷性耳垂裂)について解説します。
耳が裂ける原因
耳たぶが裂ける原因は主に以下の通りです。
・重いピアス
重たいピアスをつけ続けることで、耳たぶに負担がかかり、裂けてしまうことがあります。
・感染症
ピアスホールが感染し、その結果として穴が広がり、最終的に裂けてしまう場合もあります。
生まれつき耳たぶが裂けて割れている方もいますが、基本的に当院にいらっしゃる患者さんは、耳たぶにピアスをつけていて重みなどで裂けてしまい来院する方が多いです。
耳垂裂を放置した場合の危険性
外傷性耳垂裂自体には特に危険はありません。
ただし、見栄えの問題から気になる方が多くご来院されます。
通常、割れていない耳たぶが割れていると見た目に影響するためです。
保険適用について
耳たぶの修正手術には保険適応と自費診療がありますが、生まれつきの先天性耳垂裂の場合のみ保険で出術を行うことができます。
ただし、ピアスによる外傷性耳垂裂や拡張したピアスホールを閉じたい場合は、自費診療となります。
修正方法
ピアスホールが拡張してしまった場合、皮膚が中にできているため基本的にそのまま縫い閉じることはできません。
穴を囲む皮膚を切り取り、前後両面から貫通するようにして皮膚を取り除きます。
この際、表側はシワに沿うように縫うことで綺麗な仕上がりを目指し、裏側も同様の方向で縫うと窪みやくびれが生じやすいので、それを避けるために傷の方向を変えて縫います。
特に外傷性耳垂裂の場合、一方向に傷があるとまたノッチ(少しくびれた部分)ができてしまい再度くびれてしまう可能性があります。
そのため、「W形成」や「Z形成」というジグザグな縫い方で対応することが一般的です。この方法によって切れ込みやくぼみが目立たないようになります。
傷跡について
手術後の傷跡はほとんど目立ちません。耳たぶは動かす部分ではないため、非常に綺麗な傷跡になることが多いです。
稀にノッチができることもありますが、その点もデザイン次第でカバーできますので、たいていの場合元通りの耳の形になります。
手術後1週間で抜糸を行い、その後1ヶ月ほどである程度目立たなくなります。
1ヶ月を過ぎてからくびれる場合もありますが、多くの場合3ヶ月ほど経つとほぼ目立たなくなります。
手術について(麻酔、時間、痛み)
手術は局所麻酔で行います。
所要時間は約30分、大きいものでも1時間かかることは滅多にありません。麻酔注射自体には痛みがありますが、手術中や術後の痛みはそれほど強くないです。
よくある質問
閉じることができる最大の穴の大きさはどのくらいですか?
基本的にサイズに関わらず対応が可能です。
ただし、あまりにも大きな穴の場合、皮膚を縫い閉じることで耳の形が変わってしまうこともありますが、その場合は別の方法で対応しますので、どのサイズでも閉じることができます。
穴が大きい場合は植皮で閉じるのですか?
大きな穴の場合、後ろ側から皮弁を移動させて持ってくる方法があります。さらに大きな場合には植皮を使って対応することもあります。
ピアスを開けてからどれくらいで手術できますか?
ピアスを開けてすぐにその穴を閉じたい場合、基本的にはいつでも手術が可能です。ただし、早い段階であれば自然に穴が閉じることもあるため、手術が必要ない場合もあります。
実際の症例
こちらは耳たぶのピアスホール修正手術の事例です。
まず、穴の周りの皮膚を切り取り、裏側の穴周りも同様に切開します。トンネルを開通するような感じで皮膚を取り除きました。
表側はシワに沿うように縫合し、裏側は直行するように縫合しました。
1ヶ月後と3ヶ月後の経過を見ると、3ヶ月後にはほぼ傷跡が分からなくなりました。
次に、耳垂裂という耳が裂けてしまった方の手術事例です。
この方の場合、手術方法として表面側は一直線で切開し、縁の部分はYVといってジグザグになるように切り縫いました。裏側はZ形成で皮膚を入れ替えることでジグザグになるようにしています。
いずれの症例も、術後1ヶ月時点で写真のような状態になっています。
おわりに
耳たぶの裂けや拡張したピアスホールは、見た目に大きな影響を与えることが多く、気になる方も少なくありません。しかし、適切な手術とケアを行うことで、元通りの美しい耳の形を取り戻すことが可能です。
ビクアスクリニック秋葉原では、患者様一人ひとりに合わせた治療法をご提案し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。
ご不明点や不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。