手汗や足の裏の臭いの原因は多汗症かも?症状・原因・対策と治療法まとめ
暑くなってくると汗をかいてしまって、汗染みや臭いが気になる…という方は多いのではないでしょうか。
しかし、気温にかかわらずいつも手汗や足汗をじんわりかいてしまって悩んでいる方もいらっしゃると思います。
その症状は、じつは「多汗症」の可能性があります。日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合は、早めに美容皮膚科などのクリニックで相談しましょう。
ここでは、多汗症の原因や対策について解説します。
多汗症とは
発汗は体温調整のための重要な機能です。これによって、人間は動物の中でも屈指の持久力を得るようになりました。
しかし、体温調整とは関係なく、必要以上に汗が出てしまうことがあります。これが多汗症です。
多汗症の症状が出る部位や程度は人によりさまざまです。緊張すると手汗が止まらなくなる方、少し暑いだけで足裏の汗が止まらなくなる方…他にも、脇の下や顔に症状が出るケースもあります。
手汗や足の裏の臭いの原因
手汗や足の裏の臭いは、多汗症によるものかもしれません。次のような症状がある場合は、治療を受けることをおすすめします。
- 紙に触れると濡れる
- 手が蒸れてふやけている
- 大量の手汗によって電子機器が故障した
- 手が滑りやすい
このような症状は日常生活に支障をきたすため、多汗症に悩む人が後を断ちません。
多汗症の原因
多汗症は、さまざまな原因によって引き起こされます。
ストレスや不安
この多汗症は、発汗恐怖症とも呼ばれています。これは、恐怖を覚えることで汗の量が増えるからです。
多汗症ではない人は精神的な問題を抱えても発汗量が大きく増えることはありません。しかしながら、発汗恐怖症は不安や緊張、ストレスなどを感じると、自律神経の一つである交感神経が優位になり、発汗量が増えてしまうのです。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンは、脳の視床下部からの命令を受けて分泌されるもので、視床下部には交感神経をコントロールする役割もあります。そのため、ホルモンバランスが乱れると交感神経をうまくコントロールできなくなり、汗の量が増加してしまうのです。
このような理由により、多汗症はホルモンバランスが乱れている更年期や妊娠中の人に多くみられます。
遺伝
詳しいことは解明されていませんが、神経質であったり緊張や不安を覚えやすかったりする性格が遺伝することで、多汗症になりやすいことが指摘されています。
乳幼児のときにすでに多汗症になっていることがあるのですが、この場合も遺伝が関係している場合があるでしょう。
熱い食べ物や辛い食べ物
汗は、体温を上昇させすぎないようにするために分泌されるものです。そのため、身体を温める熱い食べ物や辛い食べ物を摂取すると汗が出ます。
しかし、このような食べ物を過剰摂取すると、大量の汗をかくようになる味覚性多汗症になる恐れがあるので注意しましょう。
喫煙とコーヒー
タバコに含まれるニコチンとコーヒーに含まれるカフェインには、交感神経を優位にする作用があります。
そのため、過度の喫煙やコーヒーの摂取は、多汗症のリスクを高めてしまうことを覚えておいてください。
肥満
詳しいことは解明されていませんが、肥満だと多汗症になりやすいといわれています。
多汗症を予防するために、栄養バランスに優れた食事を心がけ、適度に運動して肥満を防ぐことが大切です。
病気
多汗症は、代謝異常や中枢神経の病気などの患者にみられることが多いといわれています。
しかしながら、手や足の裏などに限った多汗症になることは稀で、多汗症になるとすれば全身性のものになることがほとんどです。
多汗症の治療法
多汗症の治療では、交感神経の活動を抑えることを目的として、ボトックスを注射します。クリニックによってボトックスの種類が異なるので、事前に確認しておくことが大切です。
効果は、注射から約7~10日後から現れはじめ、そのまま約3~6ヶ月続きます。効果は永久的なものではないので、効果が切れた場合は再治療を受けなければなりません。
ただし、2回目以降の注射は、効果が比較的長く続くことがあるようです。
また、一時的に汗を止める制汗剤も処方してもらえる場合があります。汗を分泌する汗腺に働きかけることで汗の分泌を抑える方法です。
効果の持続期間は約2~3日であるため、定期的に塗り直さなければなりません。しかしながら、入浴後に塗ることを習慣づけるなどすれば、手間に感じることはないでしょう。
おわりに
多汗症は、単なる汗っかきという訳ではありません。多量の汗により、生活に支障をきたす恐れがあります。
そうなるとストレスが溜まり、余計に多汗症が悪化する可能性があるので、早めにクリニックを受診しましょう。