ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?シミ・肝斑との違いとピコレーザー治療を医師が解説

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?シミ・肝斑との違いとピコレーザー治療を医師が解説
目次
シミだと思っていた色素斑、実はADMかもしれません
「シミ取りレーザーを受けたのに改善しない」
「頬骨のあたりに青みがかった色素がある」
「肝斑だと思っていたけれど治療しても変わらない」
このようなお悩みをお持ちの方は、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の可能性があります。
ADMは一般的なシミとは異なる色素性疾患であり、正確な診断と適切な治療が重要です。
ラジニアクリニックでは、ピコ秒レーザー「エンライトンSR」を使用し、ADMの状態や肌質に合わせたオーダーメイド治療をご提案しています。
今回はADMの特徴やシミ・肝斑との違い、そしてADM治療に用いられるピコレーザーについて詳しく解説します。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?
ADM(Acquired Dermal Melanocytosis)は、皮膚の深い層である真皮内に存在するメラノサイト(色素細胞)が原因となって生じる色素性疾患です。
一般的なシミ(老人性色素斑)は表皮にメラニン色素が蓄積することで発生しますが、ADMは真皮内のメラノサイトそのものが原因となるため、見た目が似ていても治療方法が異なります。
ADMの特徴
ADMには以下のような特徴があります。
- 頬骨周辺にできやすい
- 左右対称に現れることが多い
- 青灰色〜褐色調の色素斑
- 20〜40代女性に多い
- 徐々に濃くなることがある
- 肝斑を合併することもある
特に頬骨周辺に左右対称で現れる青みがかった色素斑はADMの代表的な特徴の一つです。
ADMとシミの違い
ADMと一般的なシミは見た目が似ていますが、原因や治療法は大きく異なります。
| ADM | 一般的なシミ(老人性色素斑) |
| 真皮に原因がある | 表皮に原因がある |
| 青灰色調が多い | 茶色調が多い |
| 左右対称に出現しやすい | 単発で出現しやすい |
| ピコレーザー治療が有効 | IPLやシミ取りレーザーが有効 |
| 肝斑との鑑別が重要 | 比較的診断しやすい |
ADMをシミと誤認した場合、十分な治療効果が得られないことがあります。
ADMと肝斑の違い
ADMは肝斑と混在していることも少なくありません。
| ADM | 肝斑 |
| 真皮病変 | 表皮病変 |
| 青灰色調 | 淡褐色調 |
| 点状・斑状 | 面状に広がる |
| レーザー治療が検討される | 強いレーザーで悪化することがある |
| メラノサイトが原因 | メラニン産生亢進が原因 |
肝斑を合併している場合は治療方法の選択が重要となります。
そのため、自己判断ではなく医師による診察をおすすめします。
ADMにピコレーザーが用いられる理由
ADMは真皮内の色素細胞が原因であるため、美白化粧品や内服治療だけでは十分な改善が難しい場合があります。
ラジニアクリニックではピコ秒レーザー「エンライトンSR」を導入しています。
ピコレーザーは1兆分の1秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、色素を微細に破砕する治療機器です。
これにより、
- 色素を効率的に破砕できる
- 周囲組織への熱ダメージを抑えやすい
- ダウンタイムの軽減が期待できる
といった特徴があります。
ラジニアクリニックのADM治療
ADM治療では単純にレーザーを照射するだけではなく、患者様ごとの肌状態に合わせた治療計画が重要です。
当院では、
- ADMの深さ
- 色調
- 肝斑の有無
- 炎症後色素沈着(PIH)のリスク
- ライフスタイルやご希望
などを総合的に評価し、適切な治療方法をご提案しています。
532nmと1064nm、どちらの波長を選ぶの?
エンライトンSRでは主に532nmと1064nmの波長を使用します。
532nmを使用する場合
532nmはメラニンへの吸収率が高く、ADMの色素を効率的に破砕できる波長です。
そのため、
- 比較的反応が得られやすい
- 少ない治療回数で改善が期待できる
という特徴があります。
一方で、炎症後色素沈着(PIH)が生じることがあります。
当院ではPIHが生じた場合、経過観察やピコトーニングなどを組み合わせながら改善を目指します。
1064nmを使用する場合
1064nmは532nmと比較して穏やかに作用する波長です。
そのため、
- PIHリスクをできるだけ抑えたい
- ダウンタイムを少なくしたい
- 肝斑を合併している
といった患者様に適している場合があります。
改善までに時間を要することがありますが、532nmと比較して炎症後色素沈着(PIH)のリスクを抑えられる可能性があります。
当院では患者様の肌状態やご希望に応じて適切な波長を選択しています。
ADM治療は何回必要?
ADMの状態や色素の深さによって必要な治療回数は異なります。
1回の照射で改善がみられる場合もありますが、複数回の治療が必要になることもあります。
また、炎症後色素沈着(PIH)が生じた場合には、経過観察やピコトーニングを併用しながら治療を進めることがあります。
診察時に肌状態を確認し、一人ひとりに合わせた治療計画をご提案いたします。
ADM治療後の注意点
紫外線対策
紫外線は色素沈着を悪化させる可能性があります。
- 日焼け止め
- 帽子
- 日傘
などを活用し、十分な紫外線対策を行いましょう。
摩擦を避ける
洗顔やスキンケア時の過度な摩擦は色素沈着を助長する場合があります。
肌を優しく扱うことが大切です。
医師の指示に従ったスキンケア
必要に応じて、
- トラネキサム酸
- ビタミンC
- ハイドロキノン
などを併用する場合があります。
まとめ
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は一般的なシミとは異なり、真皮内のメラノサイトが原因となる色素性疾患です。
そのため、シミと同じ治療では十分な効果が得られない場合があります。
ラジニアクリニックではエンライトンSRを使用し、ADMの状態や肝斑の有無、炎症後色素沈着(PIH)のリスクまで考慮したオーダーメイド治療をご提案しています。
「シミ治療を受けても改善しない」
「頬の青みがかった色素が気になる」
「ADMか肝斑か分からない」
そのようなお悩みをお持ちの方は、お気軽にラジニアクリニックへご相談ください。
監修医師
ラジニアクリニック
院長 植木 健太郎
【資格・所属学会】
- 日本形成外科学会
- 日本美容外科学会
- 形成外科専門医
- JSAPS(日本美容外科学会)専門医
参考文献
- Hori Y, Takayama O, Nakanishi K, et al. Acquired bilateral nevus of Ota-like macules. J Am Acad Dermatol. 1984;10(6):961-964.
- Kawada A, Tezuka T, Hiruma M, et al. Treatment of acquired bilateral nevus of Ota-like macules with Q-switched ruby laser. Arch Dermatol. 1999;135(4):408-410.
- Watanabe S, Takahashi H. Treatment of acquired dermal melanocytosis with Q-switched lasers. Dermatologic Surgery.
- Japanese Dermatological Association. Clinical Practice Guidelines for Melasma and Pigmented Lesions.
- Bernstein EF. Laser Treatment of Pigmented Lesions Using Picosecond-domain Technology. Lasers Surg Med. 2019.
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、診断や治療を目的としたものではありません。症状や治療適応には個人差があります。詳しくは医師へご相談ください。