脂腺増殖症とは?ニキビとの違い・見分け方・Er:YAGレーザー治療を医師が解説
監修:形成外科専門医・JSAPS専門医 ラジニアクリニック(秋葉原)院長 植木 健太郎

目次
- はじめに|治らない「ニキビのようなぶつぶつ」は脂腺増殖症かもしれません
- 脂腺増殖症とは?
- 脂腺増殖症はなぜできる?
- 脂腺増殖症とニキビの違い
- 脂腺増殖症では「基底細胞癌との鑑別」が重要
- 脂腺増殖症はどうやって診断する?
- 脂腺増殖症は自然に治る?
- 脂腺増殖症の治療方法
- ラジニアクリニックの脂腺増殖症治療|Er:YAGレーザー
- 脂腺増殖症のEr:YAGレーザー治療|費用・回数・リスク
- 脂腺増殖症は1回で取れる?
- 脂腺増殖症は再発する?
- 脂腺増殖症を自分で潰してはいけない理由
- 脂腺増殖症と似ている顔のできもの
- ラジニアクリニック(秋葉原)の脂腺増殖症治療
- 脂腺増殖症についてよくある質問
- まとめ|ニキビのようなぶつぶつが治らない場合は脂腺増殖症の可能性も
はじめに|治らない「ニキビのようなぶつぶつ」は脂腺増殖症かもしれません
額や頬に、
- ニキビのような肌色のぶつぶつがある
- 何年経っても消えない
- 黄色っぽく、中央が少しへこんでいる
- 押しても何も出てこない
- 同じようなぶつぶつが少しずつ増えてきた
という症状はありませんか?
その場合、脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)の可能性があります。
脂腺増殖症は、皮脂をつくる脂腺が良性に増殖して目立っている状態です。
ニキビや毛穴詰まりのように見えることがありますが、病変の成り立ちは異なるため、ニキビと同じように潰したり圧出したりして治療するものではありません。
また、見た目が似る病変の中には基底細胞癌(BCC)などもあります。
そのため、
「脂腺増殖症だからレーザーをする」のではなく、まず何のできものなのかを診断することが重要です。
ラジニアクリニックでは、診察や必要に応じたダーモスコピーによって脂腺増殖症と判断できる病変について、Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーによる治療を検討します。
この記事では、脂腺増殖症の特徴、ニキビとの違い、基底細胞癌との鑑別、診断方法、Er:YAGレーザー治療、費用、傷跡・再発について形成外科の視点から解説します。
脂腺増殖症とは?
脂腺増殖症は、毛穴に付属して皮脂を分泌している脂腺が良性に増殖した病変です。
英語では「Sebaceous hyperplasia」と呼ばれます。
中年以降にみられることが多く、特に額や頬などの顔に生じやすいのが特徴です。
脂腺増殖症の代表的な特徴
- 肌色~黄色・黄白色
- 数mm程度の小さな盛り上がり
- 額や頬にできやすい
- 1個だけでなく複数できることがある
- 中央に小さなくぼみがみられることがある
- 炎症や痛みは通常目立たない
- 長期間ほとんど変わらず存在することがある
典型的には、赤く腫れたニキビというより、
「肌色~黄色の小さなドーム状のできもの」
として目立ちます。
特に特徴的なのが、病変の中央にみられる小さなくぼみです。
ただし、すべての脂腺増殖症に中央のくぼみがみられるわけではありません。
「中央がへこんでいる=脂腺増殖症」と自己判断することはできないため、実際にはほかの特徴と合わせて診断します。

脂腺増殖症はなぜできる?
脂腺増殖症は、皮脂を分泌する脂腺が増殖して大きくなることで生じます。
特に中年以降でみられやすく、加齢に伴って目立つようになることが多い病変です。
ただし、
「皮脂が多い人だから脂腺増殖症になる」
と単純に説明できるわけではありません。
ニキビのように皮脂や角質が毛穴に詰まってできる病変ではなく、脂腺そのものが増殖していることが大きな違いです。
脂腺増殖症とニキビの違い
脂腺増殖症でよくあるのが、
「ずっとニキビだと思っていた」
というケースです。
しかし、脂腺増殖症とニキビは別の病変です。
| 脂腺増殖症 | ニキビ | |
|---|---|---|
| 病変の主体 | 脂腺の良性増殖 | 毛穴の詰まり・炎症 |
| 色 | 肌色~黄白色が多い | 白・黒・赤など |
| 炎症 | 通常は目立たない | 赤み・腫れを伴うことがある |
| 中央 | 小さなくぼみを伴うことがある | 面皰・膿疱など |
| 経過 | 長期間残ることがある | 発生・炎症・改善を繰り返すことがある |
| 圧出 | 基本的に治療にならない | 面皰では適応になることがある |
脂腺増殖症は、毛穴の中に皮脂が詰まっているだけの状態ではありません。
そのため、ニキビのように指で押したり針で刺したりしても改善しません。
むしろ、
- 炎症
- 出血
- 炎症後色素沈着
- 傷跡
につながる可能性があります。
何ヶ月~何年も同じ場所に残っている「ニキビのようなぶつぶつ」は、一度診断を受けることをおすすめします。
脂腺増殖症では「基底細胞癌との鑑別」が重要
脂腺増殖症を診察するときに特に重要な鑑別疾患の一つが、**基底細胞癌(Basal Cell Carcinoma:BCC)**です。
脂腺増殖症は良性ですが、基底細胞癌は皮膚癌です。
どちらも顔に生じやすく、肌色~淡黄色の小さな盛り上がりとして見えることがあるため、見た目が似るケースがあります。
脂腺増殖症に比較的みられやすい特徴
- 数mm程度
- 肌色~黄色
- 中央にくぼみを伴うことがある
- 複数みられることがある
- 比較的均一な形をしている
より慎重な診断が必要な場合
- 1個だけ徐々に大きくなっている
- 出血を繰り返す
- 潰瘍がある
- かさぶたを繰り返す
- 形が不規則
- 血管が目立つ
- 急に変化してきた
- 典型的な脂腺増殖症の見た目ではない
これらの特徴があるからといって、必ず基底細胞癌というわけではありません。
しかし、
「脂腺増殖症のようだから、とりあえずレーザーで取る」という判断は避ける必要があります。
レーザーで病変を蒸散すると、病理検査に提出する組織が残らなくなることがあります。
そのため、まず診断することが重要です。
脂腺増殖症はどうやって診断する?
視診・触診
まずは病変の、
- 色
- 大きさ
- 盛り上がり
- 中央のくぼみ
- 硬さ
- 単発か多発か
- いつからあるか
- 大きさや形に変化があるか
などを確認します。
必要に応じてダーモスコピー
ラジニアクリニックでは、必要に応じてダーモスコピーを使用して病変を確認します。
ダーモスコピーとは、皮膚病変を拡大して観察する検査です。
脂腺増殖症では、白~黄色の分葉状構造や中央の毛包開口部、病変周囲の血管構造などが診断の手掛かりになります。
肉眼では脂腺増殖症に似ていても、ダーモスコピーで観察することで鑑別の助けになることがあります。
診断が不確かな場合は病理検査
次のような場合には、病理検査を検討することがあります。
- 診断がはっきりしない
- 基底細胞癌などを否定できない
- 急速に大きくなっている
- 出血・潰瘍を伴う
- 非典型的な形をしている
この場合にはレーザーによる蒸散を急がず、生検や切除などによって組織を病理検査へ提出することがあります。

脂腺増殖症は自然に治る?
脂腺増殖症は良性病変のため、良性と診断できれば必ず治療しなければならないものではありません。
痛みや炎症などがなければ、そのまま経過を見ることもできます。
一方で、一度目立つようになった脂腺増殖症が自然に消えることを期待して待つ、という病変でもありません。
そのため、
- 額に何個もあって目立つ
- ファンデーションを塗ると凹凸が気になる
- ニキビのように見える
- 顔のぶつぶつが増えてきた
など、見た目が気になる場合には美容目的で治療を検討します。
脂腺増殖症の治療方法
脂腺増殖症には、レーザー治療や電気的治療など複数の治療法が報告されています。
どの治療方法が適しているかは、病変の大きさ・深さ・数・部位などによって異なります。
ラジニアクリニックでは、顔の脂腺増殖症について、Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーによる治療を中心に検討します。
ラジニアクリニックの脂腺増殖症治療|Er:YAGレーザー
Er:YAGレーザーは、2,940nmの波長をもつレーザーです。
水への吸収性が高く、皮膚組織を細かく蒸散できることが特徴です。
周囲への熱影響を比較的抑えながら少しずつ病変を処置できるため、顔の小さな良性病変を治療する際に使用します。
脂腺増殖症と診断できた病変についても、病変の大きさ・深さなどを確認しながらEr:YAGレーザーによる治療を検討します。
▶ Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーについて詳しく見る
脂腺増殖症では「表面だけ取ればよい」わけではない
脂腺増殖症は、皮膚表面に色がついているだけの病変ではありません。
病変の主体となっているのは増殖した脂腺です。
そのため、表面だけを浅く処置すると、病変が十分に改善しなかったり、再び目立ったりする可能性があります。
一方で、
「深く削れば削るほどきれいに治る」
というものでもありません。
深く治療しすぎると、
- 凹み
- 瘢痕
- 炎症後色素沈着
- 色素脱失
などが生じる可能性があります。
脂腺増殖症のレーザー治療では、
病変を改善することと、傷跡をできるだけ目立たせないことのバランス
を考えることが重要です。
脂腺増殖症のEr:YAGレーザー治療|費用・回数・リスク
脂腺増殖症に対するEr:YAGレーザー治療は保険適用外の自由診療です。
費用
Er:YAGレーザー(顔・体):1mmあたり 4,400円(税込)
病変の大きさや個数などによって総額は異なります。
診察後、実際に治療する範囲を確認したうえで費用をご案内します。
治療回数
病変の大きさ・深さ・数によって異なります。
1回の治療で目立ちにくくなる場合もありますが、病変が残った場合や再び目立ってきた場合には追加治療を検討することがあります。
無理に1回で深く取り切ることより、治療後の傷跡とのバランスを考えることが大切です。
主なリスク・副作用
治療後には、
- 赤み
- 腫れ
- 痛み・ひりつき
- 出血・浸出液
- かさぶた
- 炎症後色素沈着
- 色素脱失
- 凹み
- 瘢痕
- 感染
などが生じる可能性があります。
効果や治癒経過には個人差があります。
また、症状によっては追加治療や再治療が必要になる場合があります。
脂腺増殖症は1回で取れる?
病変によって異なります。
小さく浅い病変では1回の治療で目立ちにくくなる場合がありますが、すべての脂腺増殖症を必ず1回で完全に除去できるわけではありません。
特に、
- 病変が大きい
- 深さがある
- 多数みられる
- 傷跡をできるだけ抑えたい
といった場合には、無理に深く治療せず、必要に応じて追加治療を検討することがあります。
「1回で取り切ること」と「きれいに治すこと」は必ずしも同じではありません。
脂腺増殖症は再発する?
脂腺増殖症では、
治療した病変が再び目立ってくること
と、
別の場所に新しい脂腺増殖症が生じること
の両方があります。
Er:YAGレーザーを含むレーザー治療では良好な治療結果が報告されていますが、長期的な再発率について十分な大規模データがあるわけではありません。
そのため、
「Er:YAGレーザーなら絶対に再発しない」
という治療ではありません。
治療後に再び病変が目立ってきた場合には、状態を確認したうえで追加治療を検討します。
脂腺増殖症を自分で潰してはいけない理由
脂腺増殖症は「中に皮脂がたまっているニキビ」ではありません。
そのため、
- 指で強く押す
- 針で刺す
- 毛穴用の器具で押し出す
といった自己処置をしても根本的な治療にはなりません。
むしろ、
炎症 → 傷 → 色素沈着・傷跡
につながる可能性があります。
特に顔は傷跡が気になりやすいため、長期間残っているニキビのようなぶつぶつは無理に触らず、診察を受けることをおすすめします。
脂腺増殖症と似ている顔のできもの
脂腺増殖症以外にも、顔には似た見た目のできものがあります。
| 病変 | 主な特徴 |
|---|---|
| 脂腺増殖症 | 肌色~黄白色。中央にくぼみを伴うことがある |
| 稗粒腫 | 白~黄白色の硬い小さな粒 |
| 汗管腫 | 目の下などに肌色の小丘疹が多発 |
| ほくろ | 肌色~茶色・黒色。平坦~隆起 |
| 脂漏性角化症 | 茶色~黒色。ざらつきや隆起を伴うことがある |
| 基底細胞癌 | 光沢・血管・潰瘍などを伴うことがあり鑑別が重要 |
見た目が似ていても、病変の成り立ちや深さが違えば治療方法も変わります。
特に基底細胞癌など悪性疾患を否定できない場合には、レーザー治療より診断を優先します。

ラジニアクリニック(秋葉原)の脂腺増殖症治療
脂腺増殖症の治療では、
「取れるかどうか」だけではなく、「治療後の傷跡をできるだけ目立たせないこと」
も重要です。
ラジニアクリニックでは形成外科の視点から、
- 本当に脂腺増殖症なのか
- 基底細胞癌などとの鑑別が必要か
- 病変の大きさ・深さ
- 単発か多発か
- 発生している場所
- 治療後の傷跡のリスク
などを確認したうえで治療方法を検討します。
良性の脂腺増殖症と判断できる病変では、Er:YAGレーザーによる治療を検討します。
一方、診断が不確かな場合にはレーザー治療を急がず、必要に応じて病理検査を優先します。
このような方はご相談ください
- 額や頬の肌色のぶつぶつが治らない
- ニキビだと思っていたものが何年も残っている
- 黄色っぽいできものの中央がへこんでいる
- 顔に同じようなぶつぶつが増えてきた
- 脂腺増殖症かどうか診断してほしい
- Er:YAGレーザーで治療できるか知りたい
脂腺増殖症についてよくある質問
脂腺増殖症は悪性ですか?
脂腺増殖症そのものは良性病変です。
ただし、基底細胞癌など似た見た目の病変があるため、特に典型的ではない病変では診断が重要です。
脂腺増殖症とニキビはどう違いますか?
ニキビは毛穴の詰まりや炎症を中心とした病変ですが、脂腺増殖症は脂腺そのものが増殖した病変です。
そのため、ニキビのように潰したり圧出したりして治療するものではありません。
脂腺増殖症は放置しても大丈夫ですか?
良性と診断できれば、必ず治療する必要はありません。
痛みなどがなく、見た目も気にならなければ経過を見ることができます。
脂腺増殖症はレーザーで治療できますか?
良性の脂腺増殖症では、レーザー治療が選択肢になります。
ラジニアクリニックでは、病変の大きさ・深さなどを確認したうえでEr:YAGレーザーによる治療を検討します。
脂腺増殖症のレーザー治療は痛いですか?
レーザー照射時には刺激や痛みを感じることがあります。
痛みの感じ方には個人差があるため、病変の大きさや治療範囲などを確認しながら対応します。
治療後すぐにメイクできますか?
治療部位には保護が必要になることがあります。
施術部位の状態や治療範囲によって注意事項が異なるため、治療後に具体的なケア方法をご説明します。
1回で完全に取れますか?
病変によって異なります。
1回で目立ちにくくなることもありますが、深さや大きさによっては追加治療が必要になる場合があります。
脂腺増殖症は再発しますか?
治療した場所が再び目立つことや、別の場所に新しい脂腺増殖症が生じることがあります。
「レーザーをすれば絶対に再発しない」という治療ではありません。
まとめ|ニキビのようなぶつぶつが治らない場合は脂腺増殖症の可能性も
脂腺増殖症は、皮脂をつくる脂腺が良性に増殖することで生じる病変です。
典型的には、
- 肌色~黄白色
- 数mm程度
- 額や頬にできやすい
- 中央に小さなくぼみを伴うことがある
- 複数できることがある
といった特徴があります。
ニキビのように見えることがありますが、脂腺そのものが増殖しているため、潰したり圧出したりして治療する病変ではありません。
また、基底細胞癌などとの鑑別が必要になることがあるため、治療前に「何のできものなのか」を診断することが重要です。
ラジニアクリニックでは、必要に応じてダーモスコピーなどを使用して診断し、良性の脂腺増殖症と判断できる病変についてはEr:YAGレーザーによる治療を検討します。
顔の脂腺増殖症では、
「深く取ること」よりも、「病変を改善すること」と「傷跡をできるだけ目立たせないこと」のバランス
が大切です。
秋葉原で、
「ニキビのようなぶつぶつが何年も治らない」
「脂腺増殖症なのか分からない」
「Er:YAGレーザーで治療できるか知りたい」
という方は、一度ご相談ください。
監修:形成外科専門医・JSAPS専門医
ラジニアクリニック(秋葉原)院長 植木 健太郎