陥没乳頭の完全ガイド:原因から手術後のケアまで詳しく解説
こんにちは。ビクアスクリニック秋葉原の院長、植木です。
今回は陥没乳頭について詳しく解説させていただきます。
陥没乳頭の原因
陥没乳頭とは、通常は突出しているはずの乳頭が、逆に凹んでいる状態を指し、この状態が一般的な症状となります。
では、なぜ陥没乳頭が起こるのでしょうか。
主な原因として考えられているのは、乳腺の発達による乳房の成長と乳管の成長のアンバランスです。
乳腺が発達して脂肪が増え、乳房が大きくなっていく過程で、乳管の成長がそれに追いつかなかった結果、乳頭が内側に引き込まれてしまう状態になるのです。
陥没乳頭の治療法
治療法としては、まず保存的な方法から始める場合もあります。
吸引による治療で改善する方もいらっしゃいますが、症状にはグレードがあり、引っ張っても全く乳頭が出てこない重症の方は、基本的に手術による治療が必要となります。
放置することのリスクとして、以下の3つが挙げられます。
・炎症を起こす可能性
・衛生面での問題(汚れが溜まりやすい)
・授乳への影響
これらの問題を防ぐためにも、特に症状が重い方は早めの手術をお勧めしています。手術によって適切な処置を行うことで、これらの問題を解決することができます。
陥没乳頭の手術方法
陥没乳頭の手術方法には、症状の程度によって複数のアプローチがあります。
軽度の場合は、乳頭の根元を切開して突っ張りを解除するだけで、乳頭が自然な位置に戻り、その状態を維持できることがあります。
一方、重度の症例では、より複雑な手術が必要となります。
具体的には、乳頭を中央で切開し、突っ張っている組織を丁寧に取り除いていきます。
この際、最も重要なのは授乳機能を損なわないよう、乳管を傷つけないように細心の注意を払うことです。
また、術後の後戻りを防ぐため、乳輪の皮膚を弁状に起こしてきて、橋渡しのように固定する手法を用います。
この方法により、乳頭が内側に戻りにくい状態を作ることができます。
陥没乳頭の傷跡について
術後の傷跡については、多くの場合、乳輪内に収まるため目立ちにくいのですが、乳輪の切開部分が白く残ることがあります。
陥没乳頭の手術後、乳輪の傷跡が白くなった場合、対処法はありますか?
この白い傷跡への対処法についてよく質問を受けますが、残念ながら自然に元の色に戻すことは難しいのが現状です。このような場合、アートメイクによって色を入れる方法が唯一の選択肢となります。
陥没乳頭の手術時間と痛み
手術時間は両側で約1時間程度です。
局所麻酔を使用するため、麻酔注射時の痛みは避けられませんが、麻酔が効いてしまえば手術中の痛みはほとんどありません。
術後も極端な痛みを訴える方は少ないようです。
術後のケアとして特に重要なのは、乳頭への圧迫を避けることです。
当院では、穴あきガーゼを乳頭の高さまで積み重ねたり、シリンジを工夫して作った器具を使用したりして、乳頭への圧迫を防いでいます。
これは術後の後戻りを防ぐために重要な処置となります。
抜糸は手術後何日で行いますか?で、施術方法は変わりますか?
抜糸については、通常術後1週間から10日程度で行います。
この期間は傷の回復状態を見ながら、適切なタイミングで実施します。
陥没乳頭手術のデメリットとリスク
陥没乳頭の手術を検討される際には、いくつかのデメリットやリスクについても理解しておく必要があります。
まず、手術による傷跡については、乳輪内に生じるため比較的目立ちにくいものの、完全に跡が消えることはありません。
これまで傷跡のなかった部分に新たな跡が残ることは、デメリットの一つと言えるでしょう。
また、どんなに丁寧な手術を行っても、術後に乳頭が再び陥没してしまう「後戻り」のリスクは避けられません。
その他、一般的な手術に共通するリスクとして、術後の感染症や痛みなども考えられます。
後戻りが起きた場合の再手術について
後戻りが生じた場合、再手術による修正は可能です。
ただし、初回手術から再手術までは、最低でも3ヶ月程度の期間を空けることが推奨されます。
これは、手術による傷跡が完全に落ち着くのを待つためです。傷跡が十分に安定してから再手術を行うことで、より良い結果が期待できます。
陥没乳頭手術の保険適用について
陥没乳頭の手術は、一定の条件下で保険適用となります。
具体的には、40歳までの方で、授乳に影響があることが前提条件となります。
特に、乳頭を引っ張っても全く出てこない重症例については、保険診療の対象となります。
一方、見た目の改善のみを目的とする場合は自費診療となります。
保険治療と自費治療で、施術方法は変わりますか?
基本的な手術方法に違いはありません。
ただし、保険診療の対象となる方は比較的重症例が多いため、乳輪に傷跡が残る術式を選択せざるを得ないケースが多くなります。これは症状の程度に応じた術式の選択であり、保険適用の有無による治療方針の違いではありません。
陥没乳頭手術の適用年齢について
手術の適用年齢については、基本的に年齢制限はありませんが、乳房の発達が完了している時期を過ぎ、成人している方が望ましいと考えられています。
陥没乳頭手術に関するよくある質問
術後、性行為はいつから可能ですか?また、感覚は戻りますか?
乳頭の感覚については、基本的に術後は元の状態に戻ってきます。
ただし、性行為に関しては傷の回復と安全性を考慮して、術後1ヶ月程度は控えていただくことをお勧めしています。この期間を守ることで、より確実な治療効果が期待できます。
陥没乳頭の手術と一緒に行うと良い施術はありますか?
実は、陥没乳頭の手術は単独で行うことをお勧めしています。
というのも、この手術を希望される方のほとんどは、乳頭が窪んでいる状態そのものを改善したいという明確な目的をお持ちだからです。
特に注意していただきたいのは、陥没乳頭の手術と乳頭縮小手術の組み合わせは避けるべきだということです。
乳輪を小さくすることで血流が悪くなるリスクが生じます。
また、皮膚の緊張が強くなることで再び陥没してしまう可能性も出てきてしまいます。
強いて言えば、術後に乳房の色合いが気になる場合は、トーニング治療を行うことは可能です。
しかし、基本的には陥没乳頭の治療に専念することで、より確実な治療効果を得ることができます。
おわりに
陥没乳頭に関するお悩みは、日常生活や授乳に影響を与えることもありますが、適切な治療を受けることで改善が期待できます。
当院では、患者様一人ひとりの症状やご希望に合わせた治療プランをご提案しております。少しでも気になる症状がございましたら、まずはご相談ください。経験豊富な医師が丁寧にカウンセリングさせていただきます。
あなたの悩みに寄り添い、最適な解決策を見つけられるよう、私たちは全力でサポートいたします。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。
動画でも解説しています。ぜひご覧ください。