ほくろ除去後に凹むのはなぜ?いつ治る?原因・予防法・治療法を形成外科専門医が解説

ほくろ除去後に凹むのはなぜ?いつ治る?原因・予防法・治療法を形成外科専門医が解説
「ほくろを取った後に皮膚が凹んでしまった……」
「この凹みは自然に治るの?」
「傷跡として残ってしまうのでは?」
ほくろ除去後の凹みは、多くの患者様が不安に感じる症状のひとつです。
しかし、ほくろ除去後に一時的な凹みが生じることは珍しいことではありません。特に顔のほくろは真皮深くまで達していることが多く、除去後の治癒過程で凹みが目立つ場合があります。
一方で、多くのケースでは時間の経過とともに改善していきます。また、適切な治療法の選択や術後ケアによって、凹みのリスクを抑えることも可能です。
この記事では、ほくろ除去後に凹みが生じる原因や治るまでの期間、予防法、改善治療について形成外科専門医の視点から詳しく解説します。
目次
ほくろ除去後に凹むのはなぜ?
ほくろ除去後の凹みは、単純に「削りすぎたから」ではありません。
主な原因は以下の3つです。
- 真皮や皮下組織の欠損
- 表面の皮膚が先に再生することによる組織不足
- 傷の治癒過程で起こる癒着
それぞれ詳しく見ていきましょう。
真皮や皮下組織が失われるため
ほくろを除去する際には、ほくろ細胞を取り除くために皮膚の一部を切除または蒸散します。
ほくろが深い場合は、
- 表皮
- 真皮
- 皮下脂肪
まで除去することがあります。
その結果、皮膚の厚みが一時的に減少し、凹んで見えることがあります。
特に顔のほくろは真皮深層まで存在していることが多く、深いほくろほど凹みのリスクは高くなります。
表面の皮膚が先に再生するため
患者様から、
「皮膚が早くできてしまったから凹んだのでしょうか?」
という質問をいただくことがあります。
この考え方は完全に間違いではありません。
傷は、
- 炎症期
- 増殖期
- リモデリング期
という流れで治癒していきます。
表面の皮膚(表皮)は比較的早く再生しますが、真皮や皮下組織が十分に再生するまでには数か月以上かかります。
つまり、
「表面は閉じているのに、その下の組織量がまだ不足している」
状態が生じます。
そのため、
真皮や皮下組織の再生が追いつかないうちに表面が閉じることで、一時的に凹んで見える
ことがあります。
深部組織との癒着が起こるため
形成外科的に重要なのが「癒着」です。
傷が深い場合、皮膚表面と深部組織の間にコラーゲン線維が形成され、皮膚が下方向へ引き込まれることがあります。
これを
陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)
と呼びます。
実際には単なる組織不足だけではなく、
皮膚が下方へ引っ張られることが凹みの大きな原因
となっています。
凹みやすいほくろの特徴
以下のようなほくろは術後に凹みやすい傾向があります。
大きいほくろ
除去範囲が広くなり、組織欠損が大きくなります。
深いほくろ
真皮深層まで達しているため除去深度が深くなります。
盛り上がったほくろ
根が深いケースが多く、治癒に時間がかかります。
鼻や口周囲のほくろ
皮膚が薄く皮下脂肪が少ないため、凹みが目立ちやすい部位です。
ほくろ除去後の経過
| 時期 | 状態 |
| 当日 | 赤み・腫れ |
| 3日後 | かさぶた形成 |
| 1週間後 | 上皮化 |
| 1か月後 | 赤み・凹みが最も目立ちやすい |
| 3か月後 | 傷跡が安定し始める |
| 6か月〜1年 | コラーゲン再構築により改善 |
凹みは術後1か月前後で最も目立つことが多く、その後徐々に改善していきます。
ラジニアクリニックではエルビウムヤグレーザーを採用
ラジニアクリニックでは、ほくろ除去にエルビウムヤグレーザー(Erレーザー)を採用しています。
エルビウムヤグレーザーは、水への吸収率が非常に高い2940nmの波長を持つレーザーです。
周囲組織への熱拡散が少ないため、
- 正常組織へのダメージを抑えやすい
- 術後の炎症を最小限にしやすい
- 色素沈着リスクを抑えやすい
- 創傷治癒に配慮した治療が可能
といった特徴があります。
顔のほくろ除去では、
「ほくろ細胞を適切に除去しながら正常組織をできるだけ残すこと」
が傷跡や凹みを抑えるうえで重要です。
エルビウムヤグレーザーは、そのバランスを取りやすい治療法のひとつとされています。
ほくろ除去方法と凹みリスク
| 治療法 | 凹みリスク | 特徴 |
| 切除縫合法 | 低〜中 | 再発が少なく病理検査が可能 |
| CO₂レーザー | 中〜高 | 蒸散力が強いが熱損傷が比較的大きい |
| エルビウムヤグレーザー | 低〜中 | 熱損傷が少なく正常組織を温存しやすい |
| 電気メス | 中 | 熱損傷による色素沈着リスクがある |
| くり抜き法 | 中 | 小型の隆起性病変に適応 |
※凹みリスクには個人差があります。
凹みを防ぐための術後ケア
傷を乾燥させない
傷は適度な湿潤環境で治癒しやすくなります。
処方された軟膏や保護テープは指示通り使用しましょう。
紫外線対策を徹底する
術後の皮膚は紫外線の影響を受けやすくなっています。
特に術後6か月程度は、
- 日焼け止め
- 帽子
- UVカット対策
を徹底しましょう。
かさぶたを無理に剥がさない
無理に剥がすと、
- 凹み
- 色素沈着
- 傷跡悪化
の原因になります。
栄養と睡眠を十分に取る
コラーゲン生成には、
- タンパク質
- ビタミンC
- 亜鉛
が重要です。
また喫煙は創傷治癒を遅らせるため注意が必要です。
凹みが残った場合の治療法
フラクショナルレーザー
コラーゲン再生を促し、凹みを改善します。
マイクロニードリング
皮膚の自然治癒力を利用して改善を目指します。
サブシジョン
癒着した瘢痕組織を剥離し、皮膚の引き込みを改善します。
ヒアルロン酸注入
凹んだ部分を物理的に持ち上げます。
瘢痕切除・切除縫縮
凹みが強く残った場合には、傷跡をいったん切除し、形成外科的に丁寧に縫合し直す方法があります。
凹みを改善できる可能性がありますが、新たに線状の傷跡が残るため、凹みの程度や部位を考慮して適応を判断します。
皮弁形成・皮膚移植
非常に深い陥凹や広範囲の瘢痕では、周囲の皮膚を移動させる皮弁形成や皮膚移植が検討されることがあります。ただし、ほくろ除去後の凹みに対して行われることは比較的まれです。
よくある質問
凹みは自然に治りますか?
多くの場合、6か月〜1年程度かけて徐々に改善します。
大きいほくろほど凹みやすいですか?
はい。除去範囲が広くなるため凹みリスクは高くなります。
凹みと再発の違いは何ですか?
凹みは皮膚が陥没している状態です。一方、再発は茶色や黒色の色素が再び現れる状態を指します。
エルビウムヤグレーザーなら絶対に凹みませんか?
いいえ。どの治療法でも凹みが生じる可能性はあります。ただし、エルビウムヤグレーザーは周囲組織への熱ダメージを抑えやすく、創傷治癒に配慮した治療が可能です。
鼻のほくろは凹みやすいですか?
鼻は皮膚が薄く皮下脂肪が少ないため、比較的凹みが目立ちやすい部位です。
まとめ
ほくろ除去後の凹みは、
- 真皮や皮下組織の欠損
- 組織再生が追いつかない状態
- 深部組織との癒着
によって生じます。
しかし、多くの場合は時間の経過とともに改善していきます。
大切なのは、
- 適切な治療法を選択すること
- 術後ケアをしっかり行うこと
- 必要に応じて早めに医師へ相談すること
です。
ラジニアクリニックでは形成外科専門医が診察を行い、患者様一人ひとりのほくろの状態に合わせた治療をご提案しています。
ほくろ除去後の傷跡や凹みが心配な方は、お気軽にご相談ください。